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源泉税2020.11.08

(税務相談)源泉所得税 YouTubeの出演料

(税務相談)源泉所得税 YouTubeの出演料

目次

A部長
A部長

弊社は最近YouTubeのチャンネル運営を始めたのですが、今後は様々な方にご出演を頂く予定です。謝礼をお支払いする場合の源泉徴収の対象を教えてください。

 

※内容は、執筆現在当時の法令等に基づいております。文中の税法の解釈等見解にわたる部分は、執筆者の私見ですので、実際の申告等税法の解釈適用に当たっては、ご本人の責任において各顧問税理士や税務当局にご確認頂き、行ってください。

源泉徴収の対象を確認

所得税法の条文上、YouTubeの出演料として源泉徴収の対象となりそうな項目として、「ラジオ放送若しくはテレビジョン放送に係る出演、「芸能人の役務の提供を内容とする事業に係る当該役務の提供に関する報酬の2項目が挙げられます(所法204条)。

それぞれ芸能人か、そうでないかで考え方が異なってきますので、確認していきます

芸能人でない者に対する謝礼金(ex,サラリーマン等)

芸能人でない、例えばサラリーマンのような方に出演料を支払う場合に、「ラジオ放送若しくはテレビジョン放送に係る出演がYoutubeを含んだ概念かを判断する必要があります。

言葉尻だけで判断しますと、YouTubeとラジオ・テレビジョンは明確に別のモノではあるため、源泉徴収の対象とはならないと考えられる向きもあります。

しかしながら、条文策定時にはYouTubeに該当するメディアがなかっただけであり、条文の趣旨を考慮すると、Youtubeも「ラジオ放送若しくはテレビジョン放送に係る出演」の概念に含まれると個人的には考えます。

いずれにしましても、これは今回のケースには限られませんが、源泉徴収義務者は法人ですので、仮に源泉徴収漏れとなった場合にはペナルティを支払う必要があります疑わしきは源泉すべきと考える方が無難でしょう

※ラジオ、テレビジョンその他のモニターに対する報酬の場合には、「講演料」に該当し、一人に対して1回に支払うべき金額が少額(おおむね5万円以下)のものについては、源泉徴収をしなくても差し支えありません。

芸能人に対する出演料

条文上では、「芸能人の役務の提供を内容とする事業に係る当該役務の提供に関する報酬」と記載されており、通達では更に詳細に「芸能人の役務の提供に関して受ける対価たる性質を有する一切のものをいう」と記載されていることから源泉徴収の対象になると考えられます。

参考条文

所法第204条  源泉徴収義務

一 原稿、さし絵、作曲、レコード吹込み又はデザインの報酬、放送謝金、著作権(著作隣接権を含む。)又は工業所有権の使用料及び講演料並びにこれらに類するもので政令で定める報酬又は料金

五 映画、演劇その他政令で定める芸能又はラジオ放送若しくはテレビジョン放送に係る出演若しくは演出(指揮、監督その他政令で定めるものを含む。)又は企画の報酬又は料金その他政令で定める芸能人の役務の提供を内容とする事業に係る当該役務の提供に関する報酬又は料金(これらのうち不特定多数の者から受けるものを除く。)

所基通204-10  懸賞応募作品の入選者に支払う少額な報酬又は料金

法第204条第1項第1号に掲げる報酬又は料金のうち次のいずれかに該当するもので、同一人に対して1回に支払うべき金額が少額(おおむね5万円以下)のものについては、源泉徴収をしなくて差し支えない

(3) ラジオ又はテレビジョン放送の聴視者番組への投稿者又はニュース写真等の提供者に支払う謝金等(あらかじめその投稿又は提供を委嘱した者にその対価として支払うものを除く。)

所基通204-27  芸能人の役務の提供に関する報酬又は料金に含まれるもの

法第204条第1項第5号に掲げる「芸能人の役務の提供を内容とする事業に係る当該役務の提供に関する報酬又は料金」には、芸能人の役務の提供を内容とする事業を営む者が自ら出演するとともに他の芸能人の役務を提供した場合に受ける報酬又は料金も含まれる。

所基通204-28  芸能人の役務の提供に関する報酬又は料金の意義等

法第204条第1項第5号に掲げる「芸能人の役務の提供を内容とする事業に係る当該役務の提供に関する報酬又は料金」とは、不特定多数の者から受けるものを除き、芸能人の役務の提供に関して受ける対価たる性質を有する一切のものをいうのであるから、その報酬又は料金には、演劇を製作して提供する対価及び芸能人を他の劇団、楽団等に供給し、又は芸能人の出演をあっせんすることにより受ける対価はもちろん、次に掲げるようなものも含まれる。

(1) テレビジョン若しくはラジオの放送中継料又は雑誌、カレンダー等にその容姿を掲載させるなどのために芸能人を供給し、若しくはあっせんすることにより受ける対価

(2) 芸能人の実演の録音、録画、放送又は有線放送につき著作隣接権の対価として受けるもの(当該実演に係る録音物の増製又は著作権法第94条第1項各号《放送のための固定物等による放送》に掲げる放送につき支払を受けるもので、当該実演に係る役務の提供に対する対価と併せて支払を受けるもの以外のものを除く。以下204-28の2において「録音、録画等の対価」という。)

(3) 大道具、小道具、衣装、かつら等の使用による損耗の補填に充てるための道具代、衣装代等又は犬、猿等の動物の出演料等として受けるもの(これらの物だけを貸与し、又はこれらの動物だけを出演させることにより受ける対価を除く。)

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