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(税務相談)源泉所得税 忘年会のビンゴ大会は給与源泉?

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そろそろ忘年会の季節になってきましたが、今年の忘年会はビンゴ大会を予定しておりまして、海外旅行10万円分✖3セット、ギフトカード5万円✖3セットのような高額の景品を予定しておりますが、この場合に給与源泉すべきでしょうか。
※内容は、執筆現在当時の法令等に基づいております。文中の税法の解釈等見解にわたる部分は、執筆者の私見ですので、実際の申告等税法の解釈適用に当たっては、ご本人の責任において各顧問税理士や税務当局にご確認頂き、行ってください。
給与等に係る経済的利益の検討
給与所得を前提として検討した場合、今回のケースに相当する通達はないが、「給与等に係る経済的利益」として以下の通達を確認してみます。
① 永年勤続者の記念品等(所基通36-21)
給与の後払い的正確を有するが、一種の儀礼的な給付であるため、一定の勤続年数等の要件を満たせば、社会通念上の妥当性を考慮し非課税(金銭支給は給与課税)
② 創業記念品等(所基通36-22)
1万円以下のものであり、一定期間ごとに到来する記念に際して支給する記念品については、儀礼的な要素の強いものであり、従業員に限らず株主等の取引先などの関係者に供与されることなどを考慮し、課税上弊害のない範囲内で非課税(金銭支給は給与課税)
⇒今回のケースでは、処分見込額は1万円以上の景品であり、またギフトカード等金銭支給のものもあるため、ビンゴの景品等が給与等に係る経済的利益と捉えるならば給与源泉が必要となる。
所得区分の検討
① 一時所得への当てはめ
一時所得とは、労務の対価としての性質を有しない所得であり、例えば懸賞や福引の賞金品(業務に関して受けるものを除く)のような所得をいう。
⇒ビンゴ大会への参加資格が従業員に限定されており、これを労務の対価と考える場合には、給与所得となり源泉徴収が必要となる。
② 成績優秀者を対象として行う海外旅行に係る経済的利益(国税庁照会)
抽選対象者は所定の業績を挙げたものに限定されているため抽選方法を偶発性を有しているとしても、これによる経済的利益は労務の対価としての性質を有する。
⇒労務の対価か否かを判定する上では、偶発性が判定のキーポイントなる。今回のビンゴ大会は全員出席であり成績優秀者等に限定していない。
結論
出席者は雇用契約のある者に限定していることから、所得区分は給与所得であるという指摘もあり得るかと思うが、ビンゴの景品に対して何らかの労務の提供が行われたというわけでもなく、当ビンゴ大会には従業員全員が出席予定ですが、全ての者には景品が用意されていないため、偶発的な要因により得た所得であると考えられるこます。そのため、今回の景品で受け取る経済的利益の所得区分は一時所得であり、今回の金額であれば(50万円未満のため)源泉徴収を行う必要がないと思われます。