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会計・税務2020.10.27

(税務相談)ホームページの制作費用について

(税務相談)ホームページの制作費用について

目次

A部長
A部長

弊社は、自社で広告宣伝用のホームページをWordPressにて作成し、その作業を外注しました(500万円)。外注の内容は、消費者が見て分かりやすい構成案や、デザイン等がメインであり、データベース連携等は含まれておりません。なお、今後は今回作成されたHPをベースにして更新をしていく予定です。この場合の会計・税務上の取り扱いを教えてください。

 

 

※内容は、執筆現在当時の法令等に基づいております。文中の税法の解釈等見解にわたる部分は、執筆者の私見ですので、実際の申告等税法の解釈適用に当たっては、ご本人の責任において各顧問税理士や税務当局にご確認頂き、行ってください。

回答

会計上は広告宣伝費として処理し、税務上は繰延資産として使用期間に応じて均等償却していくことになると思われます

実務上の取扱い

まず当該HPの作成費用がソフトウェアなのか、広告宣伝費なのかを判断する必要があります。

ここで、会計上は、「コンピュータに一定の仕事を行わせるためのプログラム」をソフトウェアと定義されている(実務指針6項)のみで、プログラムコードの種類等、詳しく定義を定めていません。

そのため、WordPressもプログラムコードによって作動しているため、一見ソフトウェアとなりそうですが、下記の平成9年に国税庁から、全国の国税職員にHPの取り扱いを通知した文案では、そのプログラムコードの内容によりソフトウェアなのか、広告宣伝費(一時損金)なのか基準を示しています

現行の実務では当該取扱通知の考え方をベースにソフトウェアなのか否かを判断することになります。

国税庁 取扱通知(平成9年7月28日)

(1)通常、 ホームページ(HTMLと言う言語の組合わせで、ブラウザソフトで閲覧するもの) の中には、コンピュータプログラムは組み込まれておらず、その制作を業者等に委託した場 合であっても、制作費用の中には繰延資産に該当するソフトウェアの開発費用は含まれてい ない。また、通常、ホームページは企業や新製品のPRのために制作され、その内容は頻繁に 更新されるもので、長年にわたり繰り返し使用できるものではなく、その制作に係る費用の 効果が1年以上に及ぶことは稀であると考えられる。よって、ホームページの制作を他の者に 委託した場合の費用は、原則として、その支出時の損金として取扱うのが相当である。


(2)ホームページの利用方法によっては、1年を越えて使用する場合も考えられ、その場合 の外部に委託した制作費用はソフトウェア以外の繰延資産に該当し、その利用方法等により 合理的に見積もった使用期間に応じて均等償却する必要がある。

(3)ホームページは、企業や新製品のPRを目的とするものだけでなく、データベースとアク セスできるものやネットワークと接続した高度なものもあり、これらの高度なホームページ を制作する場合は、ホームページの制作とは別にデータベースやネットワークへのアクセス のためのコンピュータプログラム(ソフトウェア)が必要となるため、このようなホームペ ージの制作を他の者に委託した場合は、繰延資産として5年間で償却することとなる。
(平成9年7月28日付 「国税速報」より転載)

当てはめ

今回の作業内容としては、主に文案の構成や、デザインに係るものでありHTMLやCSS等の上記取扱通知では、コンピュータプログラムとはされないプログラムコードによりHPが作成されているものと思われますので、広告宣伝費としての処理が妥当かと考えます。

しかしながら、今回作成した「HPをベースにして更新をしていく予定」と質問にありますように、今回の成果物は1年を超えて使用することとなりますので、税務上は繰延資産として調整を行い、その使用期間にわたって均等償却が必要となります。

留意点

PRのためのホームページであるからといって、広告宣伝費と一律に判断することは危険と考えます。近年、PRのためのホームページであっても、金額が多額となるものも多くなっています。課税当局からすると、そのような金額が大きいものについて、本当に1年以内に更新されるかに目を付け、実際に税務調査で確認する調査官もいらっしゃいますので、内容により繰延資産の調整が必要か判断が求められます

(参考)国税庁Q&A(2016年~2月)

ホームページの制作費用について

(Q1)

  インターネット上に広告宣伝用のホームページを開設しました。その制作のために業者に委託した費用は、広告宣伝費等として一時の損金にするのでしょうか。それとも、繰延資産として償却するのでしょうか。

(A1)

  通常、ホームページは企業や新製品のPRのために制作されるものであり、その内容は頻繁に更新されるため、開設の際の制作費用の支出の効果が1年以上には及ばないと考えられますので、ホームページの制作費用は、原則として、その支出時の損金として取り扱うのが相当であると考えられます。
  ただし、ホームページの内容が更新されないまま使用期間が1年を超える場合には、その制作費用はその使用期間に応じて償却します。
  また、制作費用の中にプログラムの作成費用(ソフトウェアの開発費用)が含まれるようなホームページについては、その制作費用のうちプログラムの作成費用に相当する金額は無形減価償却資産(ソフトウェア)として耐用年数「5年」を適用して償却することとなります。

(法令13、耐令別表第三)

 

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