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所得税2020.11.20

(税務相談)会社の一部グループに対しての表彰金

(税務相談)会社の一部グループに対しての表彰金

目次

A部長
A部長

先日、社内で営業成績が良かった複数のグループに対して表賞金を支給しました。当該表賞金は、各グループのメンバーが参加する懇親会に補填(@3,000円)するようにお願いしていますが、使途明細や領収書等は入手していません。この場合、税務上気を付けておくべき点はございますでしょうか。

 

※内容は、執筆現在当時の法令等に基づいております。文中の税法の解釈等見解にわたる部分は、執筆者の私見ですので、実際の申告等税法の解釈適用に当たっては、ご本人の責任において各顧問税理士や税務当局にご確認頂き、行ってください。

レクリエーション費用の取扱い

所得税の基本通達36-30では「レクリエーションのために社会通念上一般的に行われていると認められる会食、旅行、演芸会、運動会等の行事の費用を負担」した場合には、給与課税しなくてもよいと定められています。

グループでの懇親会は給与課税?

今回のように全従業員等ではなく、特定のグループに対して支給された表賞金を懇親会に充てた場合に、上記レクリエーションの費用の取扱いが準用できるかについて疑問を持たれる方もいるかと思いますが、あくまで特定の個人ではなく会社の福利厚生の一環としてグループの中行われる食事会と解釈が可能と考えられるため、レクリエーション費用の取扱いに準じて課税しないものとして取り扱って問題ないと思われます。

留意点(よくあるミス)

今回のケースでは、このままの体制で運用する場合には、給与課税として後日指摘を受ける可能性があります

なぜなら、現金をグループの従業員に分配している場合には当然に給与課税となりますが、今回のように使途明細や領収書を提出させないこととしている場合において、懇親会に表賞金を充てた疎明ができないことから各メンバーに金銭を分配した場合と同様に課税が行われる可能性があります。

また使途明細はないが、実際にグループでの懇親会費用に表賞金を充てていた場合には、説明が可能かもしれませんが、グループの一部のメンバーだけで使用されていた場合には、その者たちへの給与課税漏れとなります。そのため、少なくとも半年間等の期間を設けて、その期間内に報告がなかった場合に、状況を確認し、場合によっては給与課税するといったような一定のルールで運用することが望ましいです。

参考条文

所基達36-30  課税しない経済的利益……使用者が負担するレクリエーションの費用

使用者が役員又は使用人のレクリエーションのために社会通念上一般的に行われていると認められる会食、旅行、演芸会、運動会等の行事の費用を負担することにより、これらの行事に参加した役員又は使用人が受ける経済的利益については、使用者が、当該行事に参加しなかった役員又は使用人(使用者の業務の必要に基づき参加できなかった者を除く。)に対しその参加に代えて金銭を支給する場合又は役員だけを対象として当該行事の費用を負担する場合を除き、課税しなくて差し支えない

(注) 上記の行事に参加しなかった者(使用者の業務の必要に基づき参加できなかった者を含む。)に支給する金銭については、給与等として課税することに留意する。

 

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