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組織再編税制(基礎編)分社型分割と分割型分割の違い

目次
本日は、名前が似ており、違いが分かりづらい分割について、ご紹介していきたいと思います。
※内容は、執筆現在当時の法令等に基づいております。文中の税法の解釈等見解にわたる部分は、執筆者の私見ですので、実際の申告等税法の解釈適用に当たっては、ご本人の責任において各顧問税理士や税務当局にご確認頂き、行ってください。
営業の承継先
会社分割の形態として、「営業をどのような会社に承継させるか」により以下の2つの類型に区分ができます。
新設分割・・・新設会社が承継する
吸収分割・・・既存の会社が承継する
株式の割当先
分割にあたって「発行する株式を誰に割り当てるか」により以下の2つの類型に区分ができます。
分社型・・・分割会社に割り当てる
分割型・・・分割会社の株主に割り当てる
4つの類型に整理
営業の承継先と株式の割当先の組み合わせにより4つのパターンに類型化ができます。

法人税法上の取扱い
法人税法上は会社法の類型に応じて、以下の2パターンで定義しています。
分割型分割・・・分割により分割承継法人の株式その他の資産が分割法人の株主等にのみ交付される場合の当該分割をいう(法2十二の九)
分社型分割・・・分割により分割承継法人の株式その他の資産が分割法人にのみ交付される場合の当該分割をいう(法2十二の十)
分割型分割の会社法上の整理
分割型分割は、会社法上「分社型分割 + 株式の交付(配当)」として整理されます。
そのため、株式の交付は、剰余金の分配たる性格を有するが、会社分割に際しては財源規制がは課されません(会社法792②)。
関連条文
法人税法第2条 定義
十二の九 分割型分割 次に掲げる分割をいう。
イ 分割により分割法人が交付を受ける分割対価資産(分割により分割承継法人によつて交付される当該分割承継法人の株式(出資を含む。以下第12号の17までにおいて同じ。)その他の資産をいう。以下第12号の11までにおいて同じ。)の全てが当該分割の日において当該分割法人の株主等に交付される場合又は分割により分割対価資産の全てが分割法人の株主等に直接に交付される場合のこれらの分割
ロ 分割対価資産がない分割(以下この号及び次号において「無対価分割」という。)で、その分割の直前において、分割承継法人が分割法人の発行済株式等の全部を保有している場合又は分割法人が分割承継法人の株式を保有していない場合の当該無対価分割
十二の十 分社型分割 次に掲げる分割をいう。
イ 分割により分割法人が交付を受ける分割対価資産が当該分割の日において当該分割法人の株主等に交付されない場合の当該分割(無対価分割を除く。)
ロ 無対価分割で、その分割の直前において分割法人が分割承継法人の株式を保有している場合(分割承継法人が分割法人の発行済株式等の全部を保有している場合を除く。)の当該無対価分割