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法人税2020.10.24

貸倒損失 税務上の論点 実務上のポイント

貸倒損失 税務上の論点 実務上のポイント

昨日の税務上の貸倒引当金に続きまして、本日は貸倒損失について、法人税基本通達及び実務上のポイントを確認していきます。

法律上の貸倒れ

法基通9-6-1  金銭債権の全部又は一部の切捨てをした場合の貸倒れ

法人の有する金銭債権について次に掲げる事実が発生した場合には、その金銭債権の額のうち次に掲げる金額は、その事実の発生した日の属する事業年度において貸倒れとして損金の額に算入する。

  • (1) 更生計画認可の決定又は再生計画認可の決定があった場合において、これらの決定により切り捨てられることとなった部分の金額
  • (2) 特別清算に係る協定の認可の決定があった場合において、この決定により切り捨てられることとなった部分の金額
  • (3) 法令の規定による整理手続によらない関係者の協議決定で次に掲げるものにより切り捨てられることとなった部分の金額
    • イ 債権者集会の協議決定で合理的な基準により債務者の負債整理を定めているもの
    • ロ 行政機関又は金融機関その他の第三者のあっせんによる当事者間の協議により締結された契約でその内容がイに準ずるもの
  • (4) 債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができないと認められる場合において、その債務者に対し書面により明らかにされた債務免除額

<実務上のポイント>

・法人が貸倒れとして損金経理をしているかどうかにかかわらず、その事実発生の日の属する事業年度において必ず損金の額に算入される。⇒損金経理が要件でない!​

・(4)にある「書面により明らかにされた」については、公正証書等の公証力のある書面によることは要求されていないが、税務調査等でのトラブルを避けるため内容証明郵便等で通知することが望ましい。​

回収可能性があるという事実認定のもとで、債務者に対する贈与として認められる場合には、寄附金の損金算入限度額を計算することとなる。​

事実上の貸倒れ

法基通9-6-2  回収不能の金銭債権の貸倒れ

法人の有する金銭債権につき、その債務者の資産状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかになった場合には、その明らかになった事業年度において貸倒れとして損金経理をすることができる。この場合において、当該金銭債権について担保物があるときは、その担保物を処分した後でなければ貸倒れとして損金経理をすることはできないものとする。

(注) 保証債務は、現実にこれを履行した後でなければ貸倒れの対象にすることはできないことに留意する。

<実務上のポイント>

・債権の全額が回収できないことが明らかになった場合に認めれるものであり、一部の貸倒が明らかであったとしても、認められない。​

その明らかになった事業年度における損金経理が要件となる

形式上の貸倒れ

法基通9-6-3  一定期間取引停止後弁済がない場合等の貸倒れ

債務者について次に掲げる事実が発生した場合には、その債務者に対して有する売掛債権(売掛金、未収請負金その他これらに準ずる債権をいい、貸付金その他これに準ずる債権を含まない。以下9-6-3において同じ。)について法人が当該売掛債権の額から備忘価額を控除した残額を貸倒れとして損金経理をしたときは、これを認める。

  • (1) 債務者との取引を停止した時(最後の弁済期又は最後の弁済の時が当該停止をした時以後である場合には、これらのうち最も遅い時)以後1年以上経過した場合(当該売掛債権について担保物のある場合を除く。)
  • (2) 法人が同一地域の債務者について有する当該売掛債権の総額がその取立てのために要する旅費その他の費用に満たない場合において、当該債務者に対し支払を督促したにもかかわらず弁済がないとき
  • (注) (1)の取引の停止は、継続的な取引を行っていた債務者につきその資産状況、支払能力等が悪化したためその後の取引を停止するに至った場合をいうのであるから、例えば不動産取引のようにたまたま取引を行った債務者に対して有する当該取引に係る売掛債権については、この取扱いの適用はない。

<実務上のポイント>

売掛債権についてのみ適用がある(貸付金等の債権はNG)。

備忘価額を付して損金経理が要件。

(1)において、継続的な取引により生じた債権が対象単発の取引により生じた債権には適用がない。)。

(1)において、取引を停止してから1年以上経過しているかであることに注意。​

(2)において、同一地域に複数の債務者が存在している場合には、それらの債務者の債務の額を合計して判定。​

(2)において、債務者の資産状況、支払能力等は問われないことに留意。

※内容は、執筆現在当時の法令等に基づいております。文中の税法の解釈等見解にわたる部分は、執筆者の私見ですので、実際の申告等税法の解釈適用に当たっては、ご本人の責任において行ってください。

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